爽塾ブログ
【作詞教室・爽塾】2022年後期_Lesson07
2023.01.15

2曲目の課題曲は、弾むようなポップナンバー。生徒さんたちからどんな歌詞が提案されるか、楽しみにしていました。
開講前のカウンセリングの際、このクールの受講生の中では作詞の経験値がある沢村さんは「ふだんは男性ボーカルのバンドで作詞をしているので、違う世界観の女性用の歌詞を書きたい!」と言っていただけに、期待感はなおさら。
どんな歌詞が提出されたかと言うと、「アイドル・ポップス」になるのが自然に思える曲調に対して「アイドル」という正攻法のタイトル。読む進めると、「ヒロインの憧れのアイドルは、応援している(アマチュア)バンドのメンバー」という、なかなか渋い設定でした。
以下、沢村さんの歌詞に行なったレビューの一部をご紹介します。

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アイドル

作詞:沢村正一
作曲:田村信二

1A)
 光が闇に砕け散る 涙が頬を引き裂いて  
 うねる波のように 熱狂(ねっ きょう)は繰り返す ココで改行。2Aも同様
 今もまだそばにいるみたいに  

1B)
 声と指先と ノイズ混じりのギター  ココで改行。
 汗の匂い 遠い雲の彼方  

1C)
★いつだって夢中(むちゅう)だった あなたに夢中(むちゅう)だった 
 わたしのアイ ドル キラキラな衣装(いしょう)を纏って 
 何度(なんど)も言わせてよ 「好き」って言わせてよ 
 もう逢えないの 知ってるわ  

2A)
 彼氏の車の助手席(じょ しゅせき) 何度も聞かされたロックンロール 
 空は晴れるのに 想いは募るのに 
 あの日からあなただけいないの 
 
2B)
 今も元気かな? ギター弾いているかな?  ココで改行
 くわえタバコ かすむ夜の彼方 

2C)
 いつだって夢中(むちゅう)だった あなたに夢中(むちゅう)だった 
 わたしのアイドル ギラギラなスポット ライト照らされ 
 何度(なんど)だって言うわ 「好きです」って言うわ 
 楽しかった ありがとう 


3C)
★Repeat

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【総評】

■印象
▼サビの完成度がグッと上がってレベルアップした感があります。以降もこれをキープしてください。
▼点数をつけると、70点くらいでしょうか。次項に記載した疑問点を底上げして80点オーバーすれば、「完成」扱いになりそうです。

■修正希望点
▼企画書に記載している以下の要素を少しでも歌詞に盛り込めたら、さらに完成度が上がるかと思います。
『永遠はないこと。大切なお知らせはある日突然やってくること。後悔なく生きなくてはならないこと』 
※憧れのギタリストが他界したのでなければ、何かしらの思い出の品を歌詞に入れてみるのも一考かと。
▼赤字のように、適宜、改行する方が良いのは、右半分に余白を残したいためです。そうすることで、レコーディングの際、歌い手が余白にメモを書き込めるようになります。
▼今ひとつ描写が理解できなかった、腑に落ちなかった箇所などはレッスンにて口述しました。
 要は、リスナーが「歌詞の中に描かれた情景や登場人物に関する描写などをスムーズに理解できなかったり、『?』を感じてしまうと、その時点で曲を聴くという行為から脱落してしまうため、必然性のある、よどみなく流れるようなストーリーを提示することが望ましいのです。

この作品のレビューの後、3曲目の課題曲を聴いてもらい、企画を練ってもらいました。次の課題曲は、落ち着いた感じのミディアムテンポのナンバー。たとえば、ジョン・レノンの「イマジン」のような、スタンダードになり得る普遍的的なメロディだけに、作詞家の技量が問われますね。
引き続き、リライトした歌詞の再提もお待ちしてます。3月末の受講期間終了までに、1作でも多く完成させましょう!
 
Power to The Songs!
歌に力を!

 

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