2023年の春から過去最長の2年間にわたり、受講してくださったkotonohaさんの卒業コメント、彼女が手がけたある作品の思い出深い制作秘話を以下にご紹介します。
kotonohaさん卒業コメント
ずっとやってみたかった作詞ですが、実際に作詞を学べる場所はとても少なく、爽塾さんに巡り会えたことは本当に幸運でした!
レッスンでは一から丁寧に指導してくださり、こういう場面ではこう、こういった場合はこうするなど、具体的な例やアドバイスがとても分かりやすく、初心者でも安心して楽しみながら受講することができました。
著名な作曲家の田村信二さんの課題曲で学ばせていただき、田村さんの素晴らしいメロディーとともに過ごせること、毎日、音と言葉の側にいられることに癒され、とても幸せでした。
また、テーマが偏らないよう様々な作風の課題曲にチャレンジさせてもらえ、新たな課題曲に取り組む度に新しいドアが開き、作詞の楽しさ、「作詞とはこういうものなんだ」ということを肌で感じることができました。
特に、アイディアを引き出すためのワークや課題もとても面白くて、夢中になって取り組みました!生まれて初めてロックな世界観に触れた時の衝撃と感動、カッコ良さは忘れられません!
いつも的確であたたかいアドバイスとユーモアあふれる素敵なレッスンをありがとうございました!
ロック未体験の女性がロックな歌詞を完成させるまで
kotonohaさんが受講されたのは、2023年の春からの2年間でした。思い返せば、課題曲をご提供くださっている作曲家の田村信二さんがギタリストとして参加されているライブの応援に私とkotonohaさんでうかがい、田村さんと感激のご対面を果たすようなこともありましたね。
さて、元来、爽塾のカリキュラムは、半年間に隔週開催の12回のレッスンを受講する間に4曲分の課題曲に取り組み、替え歌制作の課題を含めると5篇の作詞に取り組むというもの。半年間受講していただければ、曲先作詞の基礎は身につき、趣味として作詞を楽しむのに充分なスキルは身につきます。にもかかわらず、3度にわたって受講期間を延長していただき、2年間にわたって爽塾で学んでいただいたことで、講師の私も得難い経験をすることができました。その中でも特に思い出深いエピソードをご紹介します。
爽塾では、プロが行う「発注通りの作詞」ではなく、受講生の方に思うがままに自由な着想で作詞をしてもらうのがスタイル。まずは曲先作詞の面白さ、楽しさを体感しないことには、スキルアップは望めないからです。新しい課題曲を聴いてどんな歌詞を書くのか、アイディアをまとめるレッスンを「企画会議」と呼んでいますが、そのレッスンの最中、田村信二さん作曲のシティポップ・テイストの課題曲に対してkotonohaさんが思いついた歌詞のストーリーは、「シンガーとしてメジャーデビューをする夢を諦めきれない30代の男性のリアルな姿、心情を描く」というもの。kotonohaさんと話し合いながらアイディアのディテールを探っていくうち、「ストーリーの主人公にふさわしいのは限りなくロックテイストの歌詞だろう」という結論に達しました。「じゃ、ロックなテイストの歌詞に仕上げましょう。よろしく!」とアドバイスするだけでは済まなかったのは、kotonohaさんがロックをほぼ聴いたことがなく、そのジャンルに何の素養もなかったこと。ここからが大変でした。
爽塾で行う作詞のプロセスは「新しい課題曲を初めて聴く『企画会議』のレッスンでまとめた歌詞のコンセプトやストーリーに沿って作詞を行い、締め切りまでに提出 →→ レッスンで講評を受け、アドバイスをベースに幾度かリライトして歌詞を仕上げていく」というのが王道パターンですが、「過去にロックを聴いたこともないから、ロックな歌詞なんか書けないよね」と講師の私が諦めてしまえば、kotonohaさんがせっかく思いついたリアルなストーリーも幻に終わってしまいます。ですので、私が一念発起して、作詞に取り掛かる前に、以下のようなスペシャルなワークをこなしてもらいました。このワークの狙いは、「主人公の魂の叫びを自分ごととして感じてもらい、東京のどこかにリアルに存在するかもしれない彼の心情を言語化すること」でした。
1)歌詞の主人公が愛聴している想定で講師の私が作ったロックンロール・ナンバー中心のプレイリストをシェア。その楽曲群から、主人公がお気に入りの歌詞のフレーズを抽出して提出。
2)主人公が、1)のプレイリストの楽曲とこれから作るkotonohaさん作詞の新曲を混ぜた6曲でライブを行うと想定して、セットリスト(曲順)を考案して提出。
3)主人公が新宿区内在住と仮定し、アルバイト先の有楽町界隈のバーまで通勤する途中で目にするであろう都会の光景を主人公の視点でスケッチして提出。
こんな施策をあれこれ実行して、ロックの「R」の字も知らなかったkotonohaさんに、「往生際の悪いロックンローラー」の気持ちになってもらい、生まれた歌詞が「見果てぬ夢」です。「よくぞ、未知のジャンルの世界観のストーリーを自分の言葉で歌詞に仕上げましたね!」と絶賛できるほどの出来に仕上がり、指導してきたこちらも感慨深いものがありました。kotonohaさんは歌詞のストーリーを着想するセンスが抜群で、「シナリオライターに適性があるかも?」と思ったこともしばしばでした。卒業後も、折に触れて楽しく創作活動を続けていくことを願っています。
継続受講のメリットとは?
前述の通り、元来は半年間の講座を継続して受講した場合の主なメリットは、以下に挙げるようなポイントです。
・前述した「見果てぬ夢」の制作秘話のように、直前のタームの修了までに完成しなかった歌詞であっても、ロングタームで引き続きトライできる。
・創作するうえでのウィークポイントが明確になり、徐々に作詞のスピードが上がっていく。
なお、受講期間を延長するよう、こちらから頼むようなことは一切ありません。その点はご安心ください。
現在の募集状況は・・・
2025年10月12日(日)スタートの講座の受講生を若干名募集しています。以下の募集告知をご参照のうえ、ご興味がある方には課題曲のいくつかを実際にお聴きいただき、オンラインにてカリキュラムのご案内をいたします。お気軽にお問い合わせください。