爽塾ブログ
【作詞教室・爽塾】2023年前期_Lesson07
2023.07.17
「大人のための作詞教室・爽塾」2023年前期のレッスンも7回目を迎え、後半戦に突入。
カリキュラム変更のため、半年で作詞に取り組む課題曲は以前の7曲から4曲に減らしましたので、受講期間のうちにできるだけ多くの歌詞を完成させてほしいところです。
今回も生徒さんのツイートも交えながら、今回のレッスンをレポートします。

まず、今回のメインテーマである、2曲目の課題曲の企画に取り組んでもらいました。「初めて曲を聴いた30分間で、どんな歌詞を書くのかを構想し、企画をまとめる」という爽塾ならではの、そしてとても重要なプロセスです。
今回の課題曲は、童謡のようなシンプルなメロディだった1曲目とはテイストが異なり、誰かを思うような優しさが全編に漂う「ラヴソング」な楽曲。まずは、30分程度、曲をリピート再生しながら、どんな歌詞を書くのかプランを練ってもらいました。その後、考えたプランを生徒さんに発表してもらい、それを元にディテールを詰めていきました。
結果、春に偶然出逢ったカップルが初めて迎えるクリスマスをテーマに、クリスマスソングに仕上げたいとのこと。初々しさが感じられる素敵なコンセプトだと思います。あえて大きな括りでハードルを挙げるとするなら、数多あるクリスマスソングと比較された時 に、「この歌にしかないフレーズや味」みたいなものがアピールできたなら、素晴らしいですね。
と書くと、「難しそう!」と思われる方がいるかもしれませんが、ご安心ください。爽塾のレッスンがめざすところは、どちらかと言うとビギナーの方が作詞のスキルを身につけることで、「音楽をただ聴くだけだった人」から「音楽作りの楽しさや大変さも分かる人。できることなら、生涯賭けて音楽の素晴らしさを追求する人」へステップアップするためのサポートをしていくこと、なのです。

さて、レッスンの後半では、前回、最初の講評を行った1作目の歌詞の再講評を行いました。初回の提出時には1コーラスしかなかった歌詞が3番の歌詞まで書き上げられ、フルコーラスになり、タイトルも変更され、かなりグレードアップしました。歌詞のテーマは「望郷の歌」。就職を機に育った場所を離れて生活していくことは多くの人が経験することですから、リスナーの共感を呼ぶにはその気持ちがいかにリアルに描けるかがポイントです。
以下、講評時にお伝えしたポイントを挙げていきます。

▼タイトルについて
この曲はJPOPにありがちな「A-B-C」形式でなく、「A-B-A-B」という形式なので、いわゆるサビらしいサビはありません。生徒さんが「A-B-C」形式の歌の詞を書き慣れている人なら、「4行分のサビの歌詞を1行分に要約するようなイメージで書いてみて」と伝えれば事足りると思いますが、今回に関して言えば、生徒さんが生まれて初めて作詞に取り組んで形にする処女作。なので、自分が書いたサンプルの歌詞を提示しつつ、まずは「自分が適切だと思う箇所にタイトルを入れてください」とお伝えしていました。それについては見事にクリアしていました。タイトルを、1番、2番、3番の同じ箇所に入れるだけで、「覚えやすさ」が向上して歌として体裁が整うのです。
改題された新しいタイトルそのものも、だいぶグレードアップしていましたね。ただ、タイトルに含まれた「愛」というワードが効くように、表現、描写を工夫することで、なぜ、「愛」というワードを使ったのかがリスナーの腑に落ちるようになります。シンプルなメロディゆえ、音数が少なく、それに連れて文字数も少なくなりますから、言うほど簡単なことではありませんが、ぜひここをクリアして欲しいところです。それがどうしてもできなければ、再度のタイトル変更を検討してもいいかもしれません。

▼ストーリーについて
綿密に練られたストーリーは素晴らしいと思います。修正を経て、3ページにもわたった企画の内容は濃密の一言で素晴らしいです。
ただ、主人公が、1番では東京にいて、2番では帰郷し、3番でまた東京に移動したという距離感の描写が曖昧なため、「都会にいて故郷を思い、帰郷してそのありがたみを再確認して、東京に戻ってまた故郷に思いを馳せる」というストーリーの骨子が描けていません。タイトル自体の底上げと共に、タイトルを含むlBパート最後の行の前半をリライトすることで、そこをクリアしましょう。
1作目のリライト版についての講評は、ざっとこんな感じでした。

以下に、レッスン終了後の生徒さんのツイートをご紹介します。
 



次回は、2作目の歌詞の講評をメインに、提出されれば1作目の歌詞の講評も併せて行う予定です。「新しい課題曲の作詞を優先して行う」のルールなので、「この作品は完成したので、これでOKです」と早々に○をもらわないと、未完成の歌詞がどんどん溜まってしまうのです。このタームから課題制作の数を以前の「7→4」と減らしていますので、できれば全作品を完成させて欲しいところですね。
以前学んだ生徒さんで、必ずフルコーラスの歌詞を提出していたのは数人ほどで、そのうち半数以上の歌詞を完成させたのは1人か2人ぐらい。かつてのハードスケジュールをこなしてくださった皆さんには感謝しかありません。この場を借りてお礼を言います。本当にありがとう(^_−)−☆!
このタームが始まってからは常々、「フルコーラス分の歌詞ができなくても、1コーラスだけでも、それが難しければ数行でもいいので、課題は必ず出してくださいね」と生徒さんにお伝えしてきました。それは、この先も変わりません。ただ、10日ほどの制作期間の間にフルコーラスの歌詞を書き上げることは先輩方の多くがなしとげてきたことなので、現在受講中のRuさんにも必ずできるはずです。


Power to The Songs!

歌に力を!


※画像は、7月17日に渋谷の Club Rosso にて開催された田村信二さんのバンド「素晴らしき世界」のライヴの1シーン。コンポーザーとして確かな実績がありながら、現役ミュージシャンであり続けるフットワークの軽さが田村信二さんの魅力。踊って笑える楽しいステージを堪能しました!ご興味ある方、ぜひチェックを!

 
 

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