爽塾ブログ
「大人のための作詞教室・爽塾」2023年前期のレッスンも7回目を迎え、後半戦に突入。
カリキュラム変更のため、半年で作詞に取り組む課題曲は以前の7曲から4曲に減らしましたので、受講期間のうちにできるだけ多くの歌詞を完成させてほしいところです。
今回も生徒さんのツイートも交えながら、今回のレッスンをレポートします。

まず、今回のメインテーマである、2曲目の課題曲の企画に取り組んでもらいました。「初めて曲を聴いた30分間で、どんな歌詞を書くのかを構想し、企画をまとめる」という爽塾ならではの、そしてとても重要なプロセスです。
今回の課題曲は、童謡のようなシンプルなメロディだった1曲目とはテイストが異なり、誰かを思うような優しさが全編に漂う「ラヴソング」な楽曲。まずは、30分程度、曲をリピート再生しながら、どんな歌詞を書くのかプランを練ってもらいました。その後、考えたプランを生徒さんに発表してもらい、それを元にディテールを詰めていきました。
結果、春に偶然出逢ったカップルが初めて迎えるクリスマスをテーマに、クリスマスソングに仕上げたいとのこと。初々しさが感じられる素敵なコンセプトだと思います。あえて大きな括りでハードルを挙げるとするなら、数多あるクリスマスソングと比較された時 に、「この歌にしかないフレーズや味」みたいなものがアピールできたなら、素晴らしいですね。
と書くと、「難しそう!」と思われる方がいるかもしれませんが、ご安心ください。爽塾のレッスンがめざすところは、どちらかと言うとビギナーの方が作詞のスキルを身につけることで、「音楽をただ聴くだけだった人」から「音楽作りの楽しさや大変さも分かる人。できることなら、生涯賭けて音楽の素晴らしさを追求する人」へステップアップするためのサポートをしていくこと、なのです。

さて、レッスンの後半では、前回、最初の講評を行った1作目の歌詞の再講評を行いました。初回の提出時には1コーラスしかなかった歌詞が3番の歌詞まで書き上げられ、フルコーラスになり、タイトルも変更され、かなりグレードアップしました。歌詞のテーマは「望郷の歌」。就職を機に育った場所を離れて生活していくことは多くの人が経験することですから、リスナーの共感を呼ぶにはその気持ちがいかにリアルに描けるかがポイントです。
以下、講評時にお伝えしたポイントを挙げていきます。

▼タイトルについて
この曲はJPOPにありがちな「A-B-C」形式でなく、「A-B-A-B」という形式なので、いわゆるサビらしいサビはありません。生徒さんが「A-B-C」形式の歌の詞を書き慣れている人なら、「4行分のサビの歌詞を1行分に要約するようなイメージで書いてみて」と伝えれば事足りると思いますが、今回に関して言えば、生徒さんが生まれて初めて作詞に取り組んで形にする処女作。なので、自分が書いたサンプルの歌詞を提示しつつ、まずは「自分が適切だと思う箇所にタイトルを入れてください」とお伝えしていました。それについては見事にクリアしていました。タイトルを、1番、2番、3番の同じ箇所に入れるだけで、「覚えやすさ」が向上して歌として体裁が整うのです。
改題された新しいタイトルそのものも、だいぶグレードアップしていましたね。ただ、タイトルに含まれた「愛」というワードが効くように、表現、描写を工夫することで、なぜ、「愛」というワードを使ったのかがリスナーの腑に落ちるようになります。シンプルなメロディゆえ、音数が少なく、それに連れて文字数も少なくなりますから、言うほど簡単なことではありませんが、ぜひここをクリアして欲しいところです。それがどうしてもできなければ、再度のタイトル変更を検討してもいいかもしれません。

▼ストーリーについて
綿密に練られたストーリーは素晴らしいと思います。修正を経て、3ページにもわたった企画の内容は濃密の一言で素晴らしいです。
ただ、主人公が、1番では東京にいて、2番では帰郷し、3番でまた東京に移動したという距離感の描写が曖昧なため、「都会にいて故郷を思い、帰郷してそのありがたみを再確認して、東京に戻ってまた故郷に思いを馳せる」というストーリーの骨子が描けていません。タイトル自体の底上げと共に、タイトルを含むlBパート最後の行の前半をリライトすることで、そこをクリアしましょう。
1作目のリライト版についての講評は、ざっとこんな感じでした。

以下に、レッスン終了後の生徒さんのツイートをご紹介します。
 



次回は、2作目の歌詞の講評をメインに、提出されれば1作目の歌詞の講評も併せて行う予定です。「新しい課題曲の作詞を優先して行う」のルールなので、「この作品は完成したので、これでOKです」と早々に○をもらわないと、未完成の歌詞がどんどん溜まってしまうのです。このタームから課題制作の数を以前の「7→4」と減らしていますので、できれば全作品を完成させて欲しいところですね。
以前学んだ生徒さんで、必ずフルコーラスの歌詞を提出していたのは数人ほどで、そのうち半数以上の歌詞を完成させたのは1人か2人ぐらい。かつてのハードスケジュールをこなしてくださった皆さんには感謝しかありません。この場を借りてお礼を言います。本当にありがとう(^_−)−☆!
このタームが始まってからは常々、「フルコーラス分の歌詞ができなくても、1コーラスだけでも、それが難しければ数行でもいいので、課題は必ず出してくださいね」と生徒さんにお伝えしてきました。それは、この先も変わりません。ただ、10日ほどの制作期間の間にフルコーラスの歌詞を書き上げることは先輩方の多くがなしとげてきたことなので、現在受講中のRuさんにも必ずできるはずです。


Power to The Songs!

歌に力を!


※画像は、7月17日に渋谷の Club Rosso にて開催された田村信二さんのバンド「素晴らしき世界」のライヴの1シーン。コンポーザーとして確かな実績がありながら、現役ミュージシャンであり続けるフットワークの軽さが田村信二さんの魅力。踊って笑える楽しいステージを堪能しました!ご興味ある方、ぜひチェックを!

 
 

「大人のための作詞教室・爽塾」2023年前期、6回目のレッスンをレポートします・・・と、いつもの調子でブログを書き始めたいところですが、残念ながら、生徒さん欠席のため、今回のレッスンは中止になりました。
ですので、1曲目の課題曲に作詞された歌詞に対してメールで返した講評の内容を少々アップグレードしてお届けします。

以下、このターム1作目の歌詞に対する講評になります。

【企画について】 
▼企画の精度、完成度について
爽塾では、作詞に取り掛かる前に、書きたい歌詞の企画をまとめてもらうのですが、今回提出してもらった企画はディテールまでしっかりイメージがまとまっており、素晴らしいクオリティでした。今後もこれを継続してもらえればと思います。ただ、企画をまとめることに熱中し過ぎるあまり、作詞に割く時間が削られては本末転倒なので、企画書は2ページ以内ぐらいのボリュームで充分です。今回提出されたものが文字数オーバーではありませんが、念のため。

▼企画と歌詞の関係性について
企画と歌詞の関係性のことで伝えたいことは、企画はあくまでも歌詞という完成形の骨子であって、絶対順守しなければならないシナリオではありません。
伝え方が難しいのですが、企画をまとめた後は、考案したストーリーをそのままメロディに当てはめていくというより、ストーリーとメロディを擦り合わせていきながら、言葉やフレーズに煮詰まったりした時に企画に立ち返るというぐらいで充分です。

【歌詞について】
▼次回の提出時のタスク・言葉とメロディはちゃんとフィットしていますから、1作目にしては上出来です。
次回の提出時には、2番と3番もぜひ完成させてください。
▼タイトルについて
・タイトルは歌詞のテーマを象徴する大切なもの。サビの中なり、サビがないこの曲で言えばメロディの重要な箇所にはめ込むのが望ましいです。
・現状のタイトルは変えても構いませんが、このまま進めるのであれば、タイトルを歌詞のどこかに入れ、その行に歌詞のテーマを凝縮させるイメージで書いてみましょう。
 2番、3番も、1番と同じ箇所にタイトルを入れて、まずはその行を完成させましょう。
前回のブログにも書きましたが、サビがある曲であれば4行分ぐらいを使ってサビの歌詞が作れますが、そうではないタイプの曲ですから、「この歌詞で本当に言いたい、伝えたいメッセージを1行にする」イメージです。

【サンプル歌詞について】
ご参考までに、私が作詞したサンプル歌詞を送りますので、歌いながら味わってみてください。
・デュエットソングで、以下の通り、一人娘が嫁ぐ日の両親の気持ちを歌詞に託しました。
 1番:母親の心情
 2番:父親の心情
 3番:父と母、ふたりからのメッセージ
・注目ポイントは
 1番、2番、3番とも、Aの1行目の歌詞が同じこと。
これにより、歌い手の視点が変わっても、テーマ自体はブレることなくメッセージを伝えきれているのです。

閑話休題。

トータル12回のレッスンなので、早くも折り返し地点ですね。
このまま楽しみながら課題制作に取り組んでいくうちに「作詞をずっと続けていきたい、もっとうまくなりたい」という気持ちになれたら、きっと進歩も早くなるはず。

以下に、生徒さんのツイートをご紹介します。


 



次回は、2曲目の課題曲を聴きながら、どんな歌詞を書くのかという企画をプランニングしていきます。
併せて、今回、初回の講評を行った第1作の歌詞の2度目の講評も行います。
歌詞の確かな成長を楽しみにしつつ、提出を待ちたいと思います。


Power to The Songs!

歌に力を!

「大人のための作詞教室・爽塾」2023年前期のコース、5回目のレッスンをレポートします。

幾度かの座学レッスン、ウォーミングアップとして用意した「替え歌制作」のプロセスを経て、いよいよ、この日のレッスンから、メインテーマである「田村信二さんの未発表曲に作詞していく」カリキュラムへと進みます。

最初の課題曲に選んだのは、シンプルでメロディの美しいバラード。1コーラスで1分少々のデモでは、作曲した田村さんご自身が「♪ラララ〜」で歌っています。メロディが聴き取りやすいことから、この曲を1曲目に選びました。

まずはじめに、約30分程度、デモをリピート再生してもらいつつ、構想を練ってもらいました。その間、このメロディに対して私自身が書き上げたサンプルの歌詞をいま一度チェックして、このタイプの楽曲の作詞に取り組む際の注意点などを整理、次のプロセスである「企画会議」と呼んでいる「ブレスト&コンサルティング」の準備を進めていました。

30分の「構想タイム」が終わった後、はじめに伝えたのは、この曲の構成がJ-POPによくある「A-B-C」という形式でなく、どちらかと言うと洋楽に多い「A-B-A-B」という形式であること。つまり、導入部分のAメロがあって、Bメロがあって、サビがあるようなJ-POPに比べるとメロディのパーツが少ないため、歌詞の構成もグッと凝縮してメッセージを伝える必要があるのです。例えば、「A-B-C」形式なら4行あるはずのサビの歌詞を凝縮して1行にするようなイメージです。その他のパートも然りで、トータルな音数が少ない分、たくさんの言葉を重ねていくような表現ができない分、しっかりとしたストーリーラインをパワフルでキャッチーな言葉で支えていくことも大切です。

さて、Ruさんが考案した歌詞のコンセプトをヒアリングしていくと、「上京して都内で働いてる女性が自然豊かな故郷を懐かしく思い出している様子」を描きたいとのこと。
その構想をもとに、前述の注意点も踏まえつつ、重要なポイントをあれこれとお伝えしました。さらに、ひとつのケーススタディとして、同じメロディに自分が作詞したサンプルの歌詞を例にとって、タイトルがメロディのどこにはまっているのか、そんなお話もしました。
メロディが短いこともあり、「3番まで作ってください」と指示しましたが、最初の提出時に1コーラス分しか完成していなくても、もっと短くても、もちろんOKです。
こんな感じの1限目が終わり、今日は休憩なしで2限目のレッスンへ。

前回のレッスンである程度形ができた「Scarlet」の替え歌制作、2度目の講評です。現状のところ、2番の歌詞は未完成ですが、1番の歌詞はきちんと形になっています。「私が手を貸しているとはいえ、この講座の本編にあたる『田村信二さんの楽曲に作詞する』というメインテーマに進む前のウォーミングアップの段階で、ここまでの歌詞が書けていれば立派なものです」という評価を伝えました。
こんな感じで、今回のレッスンは終了。

次回は、今回構想を練った歌詞の講評とリライトのためのアドバイスをじっくり行なっていきます。
どんな歌詞が紡がれるのか、どんな歌が生まれるのか、提出を楽しみに待ちたいと思います。

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歌に力を!

 

「大人のための作詞教室・爽塾」2023年前期のコース生も4回目のレッスンを終えました。生徒さんのツイートも交えながら、今回のレッスンをレポートします。

今回のレッスンを終えると、全体のカリキュラムのちょうど 1/3を終えることになるので、これまでをざっと振り返ってみましょう。
レッスンの滑り出し、初回の3回はこんな内容でした。

▼1回目 : オリエンテーション、コンサルティングと目標設定。
 ※今回の生徒さん、Ruさんはビギナーということもあり、「最低でも○曲完成させましょう」といった数値的な目標は定めませんでした。
▼2回目 : 作詞法(1) 〜作詞概論、企画・着想〜
▼3回目 : 作詞法(2) 〜作詞の実際、替え歌制作企画会議〜

と、こんなプロセスを経て迎えた4回目のレッスンでは、いわゆる『座学』の締めくくりに「表記上のルール」の説明を少々。歌詞のレイアウトに関するルールや課題提出時の注意点などのお話をしました。「ちょっと面倒」と思うかもしれませんが、ルールのそれぞれに効率アップのための必然性があります。ですので、生徒さんには順守していただければ幸いです。

少々の休憩時間をはさんで、2時限めのレッスンへ。

さて、本日のメインイヴェント、予定より前倒しして制作をスタートしてもらっていた課題、替え歌制作の講評を行いました。替え歌の元歌は、教材のCD『虹』に収録された「Scarlet」。原曲の歌詞では、女性目線で「かつての恋人との2年ぶりに再会とリスタートして始まる新しい恋への期待」がロマンティックに描かれています。前回のレッスンの企画会議では、Ruさんが選んだ『元歌へのアンサーソング』というテーマに添ってコンセプトのディテールを固めていきました。

今回のレッスンでは、前回考えた「歌詞の企画、コンセプトがどれだけ実際の歌詞に落とし込めているのか?」というポイントで歌詞をチェックしていきました。提出にあたって繰り返しお伝えしていたのは、「たとえ未完成でも、1行しか書けなくても、締め切りまでに書けたものを提出してください」ということでした。替え歌というスタイルで多少ハードルは下げているとは言え、生まれて初めて取り組む作詞なのですから苦労して当たり前。いや、むしろ、自分の思いの丈を込めた1編の歌詞を独力で書き上げることが受講期間の切実な目標なのですから、最初のトライアルは「苦労したけど、何行かはメロディに載せて言葉を紡げた、歌詞らしいフレーズが書けた」くらいの達成感があれば充分なのです。

このクールでは初めて生徒さんの歌詞のチェックをすることになるので、少々ドキドキしましたが、提出された初稿は未完成の箇所こそあれ、考案したストーリーに添ってきちんと歌詞の形を成していました。真摯に作詞に取り組んだことがフレーズの端々から充分に伝わってきましたので、生まれて初めての作詞という視点で言うなら及第点と言って差し支えありません。

今回実現した、「講師の私が主導して作詞のリライトをその場で手取り足取り行う」レッスンというのは、実は「爽塾」始まって以来、初の試み。実施にあたって私が心がけたのは、「生徒さんの作品を自分の作品だと思って、修正、リライトを行う」ということでした。
では、具体的にはどんなことをしたのかと言えば、至らない部分はテキストで説明した内容を反芻しつつ、実際の修正、リライトを行なっていきました。
例えば、企画書にはなかったワードがなぜタイトルになっているのかをヒアリングし、サビの歌詞と連動させつつ修正。
メロディと歌詞がフィットしていない箇所があれば、どんなフレーズならフィットするのかを実例を交えて歌いながら底上げのプロセスを示し、修正を行うといった具合です。

一度書いたものを客観的な視点でチェックして、リライトを繰り返し、完成と向かっていく。小説やエッセイ、その他あらゆるスタイルのテキストにも同様のことが言えると思いますが、「直すことは当たり前で、完成に向けていかに適切に直すか」が大切なのです。
初めてのトライながら、生徒さんのリアクションを見る限り、「手取り足取りの歌詞のリライト実体験レッスン」は目指すハードルを何とか超えられたような手応えがありました。

以下、生徒さんの感想Tweetです。


次回は、いよいよ、田村信二さん作曲による最初の課題曲を聴きながら、どんな歌詞を書くのかという企画をプランニングしていきます。
併せて、今回、初回の好評を行った替え歌の歌詞の2度目の講評も行う予定。歌詞がどれほど成長したのかを見るのがとても楽しみ。


Power to The Songs!

歌に力を!


リライトの末、完成した生徒さんの歌詞を初稿のレビューと共に公開します。
双方を比較してみると、歌詞のクオリティが上がったのがわかります。
※修正された箇所は赤字、講師からのコメントは文字色をグリーンにしています。

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↓原題と同じ意味の英語タイトルに修正して良くなりました。
MUDDY LOVE 
 
作詞:沢村正一 
作曲:田村信二

1A)
 初めての口づけに 愛しい熱を初めて知った

1B)
 ↓ヒロインのキャラ、2人の関係性が端的な描写されていて良いと思います。
 右の手首 残るCross  
 醜い傷跡 抱きしめて 

1C)
★泥のように 闇に溶けて
 君と混じり合い 沈んでいくの
 ずっと孤独だった 私のこと
 顔も声も 赤のシャドウも 愛して
 ↑ここも初稿より良いです。
2A)
 夏近いキャンパスで 独(ひと)りの私気づいてくれた
                     ↑字余りにつき、下線を引きましょう。
2B)
 「コミュ障なの? 俺も一緒」
 遊びも本気も知らぬまま 

2C)
 泥になって 君を汚(けが)し
 二人で堕ちてく 心も捨てて
 もう逃げないでね 笑っていて
 顔も声も 青い髪も 愛して
      ↑この修正で、初稿チェック時の疑問が解決しました。
3C)
★Repeat

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【総評】

■印象
・初稿提出時に投げかけた疑問がほぼ解決し、これにて完成とします。
・「横文字(英語)のフレーズは英語として発音する」のが昨今のJPOPの趨勢ということを思えば、1B)の1行目の「Cross」はカタカナ表記がふさわしいのですが、カタカタの「クロス」は「十字架」ではなく「布地」という意味に取られる可能性もあり、ここでは現行のママでOKとします。

以下に、初稿とレビューを転載します。
※秀逸な表現は青字にしています。

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泥愛 ←読み方不明なので、ルビを入れてください。

作詞:沢村正一
作曲:田村信二

1A)
 初めての口づけに 愛しい熱を初めて知った

1B)
 青い髪と胸のTATTOO ←これは、ヒロインの相手の描写で合ってますか?
 私の身体に刺す月光(げっこう)

1C)
★泥のように 闇に溶けて
 君と混じり合い 沈んでいく
 ずっと孤独だった 私のこと
 顔も声も 傷も痣(あざ)も 愛して ←かなり内向的なヒロインの設定ですが、傷や痣の由来は?


2A)
 夏近いキャンパスで 一人の私気づいてくれた
  「一人」は↑「独り」の方がいいかも?

2B)
  「コミュ障なの? 俺も一緒」
  遊びも本気も知らぬまま

2C)
  泥になって 君を汚(けが)し
 二人で堕ちてく 心も捨てて
 もう逃げないでね 笑っていて←ヒロインにこう言わせた伏線は?
 顔も声も 滲む血さえ 愛して
 ↑1Cの同箇所と同様の疑問を感じました

3C)
★Repeat

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【総評】

■印象
歌詞の世界観はよくまとまっており、普通のアマチュアレベルなら、この作品にあれこれ言う人はいないでしょう。ただ、爽塾はスキルアップの場ですから、以下の通り、底上げが可能なポイントをお伝えしていきます。

■修正希望点
1)タイトルについて
造語かと思いますが、読み方は「どろあい」ですか? 
「どう読むんだろう?」と思う人が大半かと思いますので、ルビを入れてください。タイトルとしての可否ですが、仮に「どろあい」と読むとして、そのまま歌詞に入れても意味が分かりづらいところが今ひとつかなと思います。同様のストーリーの小説であれば問題ないのですが、歌詞の場合、1コーラスなら1分ちょっとで歌が終わってしまうため、それまでにリスナーにインパクトを与える、要は少しでも印象に残るかが勝負です。それを踏まえて、「テーマは変えずにタイトルを改変」することができるか、ぜひトライしてみてください。
2)サビのディテール
1Cの4行目に「傷も痣(あざ)も愛して」とありますが、企画書で設定されたヒロインのキャラだと「ほぼ引きこもり」状態なので、微妙な違和感を感じます。2Cの「滲む血さえ」という表現も同様で、いずれも、この恋に出会うまでに、そこそこ壮絶な人生を歩んできた人間でないと、今ひとつフィットしない感じがするのです。それよりもむしろ、まったく恋愛音痴で男性に免疫のない女性が初めて男性を知ることの恐れやドキドキ感、気持ちの昂まりなどをここで表現する方が当初の企画に見合う歌詞になるかと思います。2Cの3行目の「もう逃げないでね 笑っていて」という表現も、前項同様、企画書のキャラ設定から微妙にずれている気がします。こう言うからには、過去の恋愛で相手に逃げられた経験があるのだろうと思うのが自然ですし、相手に「笑っていて」と懇願するなら、辛い恋の果てに(本作に描かれた)新しい恋に出会ったことを示唆しているように思われてなりません。企画と歌詞との間にズレが生じたのは、前回のレッスン後に年齢設定などについて私が再考を促した影響もあるのかもしれませんが、せっかくまとめた企画ですので、企画に添ってリライトをお願いします。ライターの仕事もされている沢村さんに分かりやすくお伝えすると、企画書にまとめた内容はライターの仕事で言えばクライアントからの発注内容のようなものです。「こういう趣旨の企画に添って、〇〇の紹介記事を書いてください。○月に公開するので、季節感を踏まえたライティングをお願いします」という指示であれば、そのオーダーにフィットするようにテキストをまとめていきますよね。ここでの企画の起案者は自分自身ですが、自分でまとめたアイディアを第三者からのオーダーだと捉えると、企画と歌詞の乖離や微妙なズレが防げるように思います。

>沢村さん
 爽塾で書いていただいた歌詞、いずれも世界観がしっかりあって力作揃いです。
 ぜひとも完成させてくださいね。
 リライトした歌詞の提出もお待ちしています!

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歌に力を!

 

 

「大人のための作詞教室・爽塾」2023年前期のコース、生徒さんのツイートも交えながら3回目のレッスンをレポートします。

「そもそも、歌詞とは何ぞや?」という作詞概論をお話しした前回のレッスンから一歩進んで、今回は「作詞の実際」と題して、以下の通り、作詞の実際、テクニック的なことをテキストに添ってお話ししました。

1)サビの歌詞の作り方 
2)Aメロの歌詞の作り方 
3)Bメロの歌詞の作り方 
4)その他のパートについて 
5)2番以降への展開について 
6)タイトルの重要性 
7)グレードアップのための工夫あれこれ 
8)チェックとリライト 

たかだか1時間の講義を聴いただけで作詞のあれこれが完全にマスターできる訳ではありませんが、今回のレッスンは、実際の課題制作に進んだ後、「ここはこう直した方が効果的です。テキストのココを見直して」と振り返るための『指標』という意味合いもあるのです。

ここまででレッスンの前半を費やし、次のコンテンツ「替え歌制作の企画会議」へ。
このクールの新しい試みとして、本来なら、今回のレッスン後に初めて、「この歌の替え歌の歌詞を書いてみましょう!」と出すはずだった課題を予定を前倒しして進めてもらっていました。ですので、その進捗確認と企画の仕上げを行いました。ちなみに、替え歌の元歌となるのは、教材のCD『虹』に収録された「Scarlet  / 金子知里」。日本クラウンからメジャーデビューした知里さんのインディーズ時代の貴重な音源です。メジャーデビュー後にもコンサートやご自身のテレビ番組で歌ってくださったナンバーで、作詞とプロデュースを手がけた自分にとっても思い出深い曲です。
替え歌制作を進めるにあたり、以下のようないくつかの選択肢を挙げて、方向性を定めてもらっていました。

1)原曲の歌詞の続編的なストーリーを展開させるパターン
2)原曲の歌詞とは対になるストーリーを描く「アンサーソング」
3)原曲の歌詞の世界観はリセットして、まったく異なる歌詞を一から描く

以上の選択肢から、Ruさんが選んだのは、2)の「アンサーソング」でした。
まずは、企画の進捗を確認。さらにプランが煮詰まっていないところを話し合いながら、イメージをより具体化していきました。
こうやって、「コンサルティング形式で『どんな歌詞にするのか?』を講師と生徒さんが話し合いながら固めていく」というプロセスは、カリキュラムの改変をおこなったこのクールからの新しい試み。企画があやふやなまま、作詞に取り組んでも迷走するのは明らかなので、歌詞のクオリティをより上げるために思いついた施策です。
結果として、元々のプランがかなり色彩豊かに、イメージはより具体的になったのではないでしょうか。替え歌制作とはいえ、作詞には違いないので、仕上がりが楽しみです。とはいえ、この段階で重要なことは、まず「メロディに言葉を乗せる作詞って楽しい!」と感じてもらうことなので、そこは入念に伝えました。生徒さんに繰り返し言っていることは、「1番の歌詞しか仕上がらなくても、それで充分。たとえ1行しか書けなくてもOK。とにかく提出してくださいね」ということです。

最後に、指定された楽曲のPRコメントを考案する課題のチェックを行いました。元々は「レコード会社の宣伝担当の目線で」というテーマだったのを「ラジオ番組のDJの原稿を作るイメージで」と変更して再提出してもらったのです。提出された課題はきちんとラジオ番組のスタイルで仕上げられていました。そこで、実際のラジオ番組風にメールのテキストをリアリティのある内容で加筆し、「その楽曲のどこがどういう風にリスナーの心を動かして、リクエストメールを書くに至ったのか」という点を明確化し、それを説明しました。
次回の替え歌制作の課題はビギナーの方にはそこそこヘビーなので、「PRコメント考案」の課題はお休みです。

最後に、Twitterにアップされた生徒さんの感想コメントをご紹介しますね。

いよいよ、次回は、「替え歌制作」の課題のレビューを行います。今回のRuさんのようにまったくのビギナーの方の場合、「1行でも書けたら御の字ですよ」という気持ちは一貫して変わりません。どんなフレーズが生まれるのか、楽しみに提出を待ちたいと思います。

Power to The Songs!

歌に力を!

 

作詞歴数十年にしてライターの沢村さんと向き合った前クールとは異なり、今回はこれから作詞に取り組むまっさらなビギナーの方をサポートしていく半年間になります。
目指すゴールは、「作詞をはじめて良かった。これからも続けていこう」と思ってもらえるようなハッピーエンド。幸いにも生徒さんの志望動機はピュアでまっすぐ、まさに「青雲の志」と呼ぶべき真摯なもの。その気持ちを汲みとれば、教えるこちらも自然と背筋が伸びます。
前置きはこれくらいにして、教室・爽塾」2023年前期、2回目のレッスンをレポートしますね。

まず、前回出した「教材のCD『442』の最初の3曲のPRコメントをレコード会社のPR担当になったつもりで考案する」という課題の講評から。提出されたテキストはいずれもポエティックで素敵なものでした。まずお伝えしたアドバイスは、その楽曲をまったく知らないリスナーに魅力を伝えるにあたって最低限必要な情報である「楽曲タイトル」「アーティスト名」などは必ず盛り込むこと。さらに、魅力的な歌詞の一節や、ボサノヴァ、ソウルバラードといった曲調について触れることで、曲紹介がよりイキイキとしたものになります。
と、ここまでお話しして閃いたことがありました。もともと、「歌詞を含めた楽曲を俯瞰して見る、客観視するためのレッスンですから、そのゴールに近づくために、アプローチの仕方は柔軟に変えても良いのでは?」という思いが脳裏をよぎったのです。そして、より回答しやすいよう、「ラジオのDJが曲紹介をする際のコメントを考えるつもりで、アイディアをまとめてみましょう。リスナーからのリクエストや『こういう理由で、この曲が好き』といったメールなどを交えても構いません」という内容にアップデート。同じ3曲に対して今一度、コメントをまとめて再提出することを今回の課題としました。

ここから、今日のレッスンの本題へ。
まずは、実際の作詞に取り組む前に知っておきたい要素を簡潔にまとめたテキストに添って、作詞とはどんな行為なのか、歌詞がどんなふうに成り立っているのかという概論をお話ししていきました。主な項目は以下のとおりです。

・名曲の条件とは? 〜ビギナーでもココをめざそう!〜
・ポエムと歌詞の違い
・詞先作詞と曲先作詞の違い
・曲先作詞のプロセス

次にお話ししたのは「着想から企画へ」というテーマで、ゼロから企画を立てて歌詞を書く際のあれこれについて。
「なぜ、このプロセスが大切なのか?」「このプロセスを重要視する意味とは?」といったトピックにも触れつつ、具体的な企画の立て方(コンセプトの決め方)についてもご説明しました。これまでと異なるのは、「初めて曲を聴いたその場で、どんな歌詞を書くかを30分で決める」という爽塾独自のメソッドはキープしつつ、講師の私がコンサルティングを行う要領で生徒さんと話し合いながら、歌詞のコンセプト(企画)をよりしっかりとしたものに仕上げていくということ。これにより、歌詞のコンセプトのツッコミどころは少なくなり、歌詞を書き始めてから書き上げるまでの道筋がよりスムーズになります。

ということで、次回の3回目のレッスンでは、「作詞の実際」というテーマで、作詞のハウトゥー的なカリキュラムに進んでいきます。

最後に、レッスン後の生徒さんのコメントをご紹介します。
 

 

こんな風にレッスンの感想をその日のうちにツイートしてくれるのはありがたいことですし、過去に学んだ生徒さんたちにはできなかったことなので一目置いちゃいますね(笑)。

Power to The Songs !
歌に力を! 

 
コロナ禍以来久しぶりに活動を再開し、オンラインレッスンに切り替えて最初のクールとなった2022年後期のレッスンで感じたことを踏まえ、今春、思い切ったカリキュラムの改変を行いました。

具体的には、すべてのカリキュラムを終えた後で「初めて取り組んだ作詞ができるようになった」という手応えをより確実に感じていただくために、半年の受講期間に取り組む『課題制作の数を7→4に』減らしました。これまでは1回のレッスンで前回の課題の講評と次回の課題の企画をこなしていたのですが、慌ただしい感じが否めませんでした。そこで、前回の課題の講評と次回の課題の企画を別々のレッスンで行うことにして、それぞれをじっくり、それこそ手取り足取りのスタンスで取り組むことにしました。それにより、受講生の皆さんにはより着実にご自身の進歩を実感しながら、作詞に取り組んでいただけるはずと確信しています。

閑話休題。

さて、前述のとおり、新しいビジョンと共にスタートした「2023年前期」初回のレッスンをレポートします。

前クールの生徒さんは数十年ほど作詞の経験があって、初回のレッスン時に「なるべく、課題曲の7曲の歌詞をすべて完成させましょう!」みたいなお話をしたのですが、今回はビギナーの方をマンツーマンで教えることもあって、数値的な目標はあえて定めませんでした。それよりも、半年間のカリキュラムを終えた後に、「作詞って楽しいな。一生続けたいな」と思ってもらえるようなハッピーエンドを目指したかったからです。

まず初めに、爽塾の特徴を改めてお話ししました。

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1)4 名以下の少人数制
2)実力派コンポーザー・田村信二さんの楽曲を課題曲として使用 
3)メロディに対して最適な歌詞を企画、着想する力を伸ばします 
4)期間中、複数回にわたって作品の講評を行います 
5)進みたい方向性に合わせた指導
6)体験レコーディングについて 
7)成績優秀者は、活動開始予定のレーベルの楽曲制作に参加することも可能

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その後、前述のカリキュラムの改変についてご説明しました。

そして、これまた初めての試みとして、5月下旬に行う4回目のレッスンで講評を行う「替え歌制作」の課題について実際の取り組み方などをお話しして、「手をつけられるところから着手してOK」とお伝えしました。つまり、この課題については、約1ヶ月ぐらいの制作期間がある訳です。座学のレッスンをすべて受けてから着手するよりも、じっくり時間が取れるよう、配慮してのことでした。

そして、気楽に取り組める課題として、教材としてお渡ししている Songs On the Web レーベルのアルバム「442」の最初の3曲について、「レコード会社の宣伝担当になったつもりで、それぞれのPRコメントを140文字以内でまとめる」という課題を出しました。

これは歌詞を含めた楽曲を俯瞰して見るためのレッスンです。まずは既存の楽曲の魅力を客観的に語ることを重ねていくことで、「目指すハードルをクリアできているのか?」という視点で自身の作品をチェックすることも徐々にできるようになります。

そんな内容で終了した初回のレッスンですが、以下に生徒さんのコメントをご紹介します。入塾に際して志望動機などをお尋ねした際、まっすぐで真摯なお気持ちが伝わってきましたので、ご期待に添うよう、ベストを尽くす所存です。
 


また、レッスンの様子をお伝えしますね。

Power to The Songs !
歌いに力を! 


 
リライトの末、完成した生徒さんの歌詞をご紹介します。
最初に提出された初稿と比較すると、進歩の跡が分かります。
※作詞者が修正した箇所は青字にしてあります。


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私を愛してもっと愛して

作詞:沢村正一
作曲:田村信二

Hook)
 Love me More 誰に負けない
 大(おお)きな声(こえ)で 届けるから
          ↑字余りにつき、要アンダーライン

1A)          ↓(こんや)のルビは不要なので削除しました
 ハイエースに乗り込み今夜も走る 硬いシート明日(あす)を夢見て
 加入(かにゅう)と脱退 ←(だったい)のルビ、削除しました
 出会いと別れ それでも止まりはしない

1B)
 ステージ上(うえ)から 見える笑顔
 キラキラ キンブレが 星のよう

1Sabi)
★Love me More 声を聞かせてよ 顔隠したこの世界のなか
 Love me More 西から東へ 逢い(あい)にいくよ すぐにいくよ
                 ↑字余りにつき、要アンダーライン

Bridge)
 野音 Zepp アリーナ 代々木 ドーム 武道館
 連れていくから

2Sabi) ←「2回目のサビ」を示す意味で、入れてください
★Repeat

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※最近はサイリウムよりもキンブレ呼びの方が主流らしいので変更しました。


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>沢村さん
 いくつか赤字を入れましたが、戻すほどのものではなく、これで完成とします。
 ファンからの愛がなければ生きてはいけないアイドルの本質、こういうご時世でアイドル活動を続けていくしんどさなどが反映されたサビの完成度がすばらしいです。
 リライトお疲れさまでした!

 以下、初稿と初稿提出時のレビューを転載します。

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課題曲のラストナンバーは、ラブソングのテイストがありつつも、力強くポジティブなポップナンバー。これまでの作品では「ヒロインが20代後半のOL、どちらかと言えば奥手な性格」という設定が多かったので、「ヒロインは10代、ポジティブなテーマ、もしくはハッピーエンドなストーリーで」とあえて指定しました。こうなると、ちょっとプロっぽくなりますね(笑)。
ご本人の了解のもと、以下のとおり、作品レビューの一部を公開します。
 ※秀逸な表現は青字にしています。

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自由に愛して自由な形で


作詞:沢村正一
作曲:田村信二

Hook)        ↓ココ、字足らず 
 Love me free 誰に負けない
 大おおきな声こえで 届けるから
   ↑要ルビ   ↑要ルビ

A)     字余りのため、要ルビ↓       「あした」と↓読む可能性あるため、要ルビ。
 ハイエースに乗り込み今夜こんや)も走る 硬いシート明日(あす)を夢見て
 加入(かにゅうと脱退だったい)→こっちの方がいいかも→(だったい
 出会いと別れそれでも止まりはしない  
      ↑フレーズの切れ目なので、要全角スペース
B)
 ステージ上(うえ)から 見える笑顔 
 キラキラ サイリウム 星空のよう 
    「よう」と字余りにすれば↑歌えますが、聴こえ方が微妙なので言い換えましょう
サビ)  音に乗ってはいますが、↓「いつ/か」になるので言い換えたい
★Love me free 自由な形で いつかきっと約束の場所へ
 Love me free 西から東へ 逢いあいにいくよすぐにいくよ
       字余りにつき、要ルビ↑  フレーズ↑の切れ目なので、要全角スペース

Bridge)
 野音 Zepp アリーナ 代々木 ドーム 武道館 
 連れていくから


★Repeat


---------------------------------------

【総評】

■印象 
全体の完成度という意味では、これまででベストかと思います。
点数をつけるなら、75点ぐらいでしょうか。
これを完成させないのはもったいないです。

■修正希望点
タイトルとサビに関して言うと、ストーリー(サビに至るまで)とサビの冒頭が微妙にずれている感じがしました。
▼ストーリーを尊重するなら、例えば以下の赤字の箇所を直して、それまでの展開とフィットさせれば、一気にゴールが見えてきます。
  Love me free 自由な形で いつかきっと約束の場所へ
▼タイトルを尊重するなら、ここで言う「自由」が何を指すのかがAメロ、Bメロの歌詞の中で示唆されていないと、そのワードがインパクトを発揮しません。
※例えば、「ネット配信を見る、会場に来る、どんなスタイルでもいいから、私を応援して」という意味での「自由な形で」というフレーズなら、相応の表現が必要です。

■構成、表記ルールなど
赤字参照。
・字足らずと思われる箇所、思わず自分で直してしまいました。
・ルビが抜けてる箇所が多いので、要注意で。
 バンド仲間に作詞する場合でも入れてあげた方が親切です。
 ※英語の箇所は発音が通常通りなら、下線は不要です。
 

>沢村さん
 お仕事が忙しい中、課題を出すのは本当に大変だったと思います。
 ここで学んだことをバンド活動で活かしていただければ幸いです。
 お疲れさまでした!


Power to The Songs!
歌に力を!

 

名残惜しいけれど、ついに迎えたレッスン最終回。
7曲目の課題曲に取り組んだ沢村さんの奮闘やいかに?
ということで、バンド歴数十年(?)のライター、沢村さんの初稿レビューも今回が最終回となります。
課題曲のラストナンバーは、ラブソングのテイストがありつつも、力強くポジティブなポップナンバー。これまでの作品では「ヒロインが20代後半のOL、どちらかと言えば奥手な性格」という設定が多かったので、「ヒロインは10代、ポジティブなテーマ、もしくはハッピーエンドなストーリーで」とあえて指定しました。こうなると、ちょっとプロっぽくなりますね(笑)。
ご本人の了解のもと、以下のとおり、作品レビューの一部を公開します。
 ※秀逸な表現は青字にしています。

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自由に愛して自由な形で


作詞:沢村正一
作曲:田村信二

Hook)        ↓ココ、字足らず 
 Love me free 誰に負けない
 大おおきな声こえで 届けるから
   ↑要ルビ   ↑要ルビ

A)     字余りのため、要ルビ↓       「あした」と↓読む可能性あるため、要ルビ。
 ハイエースに乗り込み今夜こんや)も走る 硬いシート明日(あす)を夢見て
 加入(かにゅうと脱退だったい)→こっちの方がいいかも→(だったい
 出会いと別れそれでも止まりはしない  
      ↑フレーズの切れ目なので、要全角スペース
B)
 ステージ上(うえ)から 見える笑顔 
 キラキラ サイリウム 星空のよう 
    「よう」と字余りにすれば↑歌えますが、聴こえ方が微妙なので言い換えましょう
サビ)  音に乗ってはいますが、↓「いつ/か」になるので言い換えたい
★Love me free 自由な形で いつかきっと約束の場所へ
 Love me free 西から東へ 逢いあいにいくよすぐにいくよ
       字余りにつき、要ルビ↑  フレーズ↑の切れ目なので、要全角スペース

Bridge)
 野音 Zepp アリーナ 代々木 ドーム 武道館 
 連れていくから


★Repeat


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【総評】

■印象 
全体の完成度という意味では、これまででベストかと思います。
点数をつけるなら、75点ぐらいでしょうか。
これを完成させないのはもったいないです。

■修正希望点
タイトルとサビに関して言うと、ストーリー(サビに至るまで)とサビの冒頭が微妙にずれている感じがしました。
▼ストーリーを尊重するなら、例えば以下の赤字の箇所を直して、それまでの展開とフィットさせれば、一気にゴールが見えてきます。
  Love me free 自由な形で いつかきっと約束の場所へ
▼タイトルを尊重するなら、ここで言う「自由」が何を指すのかがAメロ、Bメロの歌詞の中で示唆されていないと、そのワードがインパクトを発揮しません。
※例えば、「ネット配信を見る、会場に来る、どんなスタイルでもいいから、私を応援して」という意味での「自由な形で」というフレーズなら、相応の表現が必要です。

■構成、表記ルールなど
赤字参照。
・字足らずと思われる箇所、思わず自分で直してしまいました。
・ルビが抜けてる箇所が多いので、要注意で。
 バンド仲間に作詞する場合でも入れてあげた方が親切です。
 ※英語の箇所は発音が通常通りなら、下線は不要です。
 

>沢村さん
 お仕事が忙しい中、課題を出すのは本当に大変だったと思います。
 ここで学んだことをバンド活動で活かしていただければ幸いです。
 お疲れさまでした!


Power to The Songs!
歌に力を!

 
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